美村TRAVEL~本当におすすめしたい美しい村~

日本に受け継がれる
食や文化にふれる旅

食や建築から日本の歴史を学ぶ機会は多い。
日常と非日常。ハレとケの両方を知ることで、暮らしにまつわる本当の文化に触れることが出来る。きっとそんな旅になるだろう。

Best accommodation for this course

Facility information 施設情報

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01せいわの里 まめや

「豊かな農村を残したい」そんな想いを大切に運営している「まめや」では、旬の地元野菜や、豆類を使った豊富なメニューがバイキング形式で味わえる。地元のお母さんたちが腕をふるう料理は、どこか懐かしく優しい味。料理を盛りつける器は、それぞれの家庭から持ち寄ったもので、サイズも色柄もバラバラ、そんな知恵も楽しい。定番の料理以外にも、季節のメニューを楽しみに、定期的に通う人が多いのも納得だ。少しずつ、いろいろな料理を味わえる幸せを感じながら、器に料理を盛りつける。
レストランの横には、ここで作られている豆腐や味噌、採れたての野菜、バイキングでも人気メニューの炒り大豆など、 お惣菜も購入できる直売所がある。外はカリッ、中はふわっとしたおからドーナツも人気で、売り切れる前にぜひ購入してほしい。桜や、紫陽花の季節にはお店の周辺を散策して、里山の風景もあわせて堪能してほしい。

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02神宮寺(丹生大師)

丹生大師として親しまれているお寺は、丹生山神宮寺。弘法大師の師匠である勤操大徳が開山され、後の弘仁4年(813年)に弘法大師が来寺された時に七堂伽藍(しちどうがらん)を整備されたという由緒あるお寺。
私たちが訪れた日は、宮殿の修繕工事が行われていて、長年建物を見守り続けてきた鬼瓦を近くで見ることができた。迫力満点の顔だ。広い境内を奥へ進んでいくと、立派な回廊に目が留まる。江戸時代のお殿様や偉い方が参拝の際に、雨風を凌ぎ、敵から身を守るためにつくられたものだが、再建後は参拝者も利用できるよう解放されている。観音堂の天井に目を向けると、壁の上で湾曲した木材で天井を持ち上げる様式で、宮大工の技術を贅沢に使用したつくりを、間近かに見ることができる。高野山が女人禁制だったのに対し、ここ丹生大師では女性の参拝を受け入れており、当時は願いを託し、髪を結んで帰っていたそうだが、今は髪の代わりに名刺を置いていく人が多いとか。丹生大師では月に3 回行われている写経やお香づくりなど、地域の方や参拝客に楽しんでもらえる取り組みを行っている。「仏教には今を生きるための術を知る教えがあり、お寺はそれを知ることができる場所です」という住職の言葉がとても印象的だ。

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03raf

VISON 内のサンセバスチャン通りに「raf」というカフェがある。農家直送のフルーツや野菜、地元のお茶などを使用したドリンクや、オリジナルメニューが味わえるお店だ。旨味たっぷりのチキンカレーと、スパイシーな鯖カレーの2種類が味わえるスパイスプレートには、地元の野菜をふんだんに使用した、色とりどりの副菜が添えられている。カレーと混ぜ合わせながら味わうのがまた美味しい!一緒に運ばれてくるお酢をかけて、さっぱりといただくのもまたよし!ほどよいスパイスの香りがクセになるそんな一皿だ。料理を待つ間に店内のインテリアもぜひ楽しんでほしい。曲線が滑らかなカウンターの後ろには、なんだかユニークな白い棚。「既成をぶっこわせ!」をコンセプトに、木材やガラス、プラスチック素材などを自由に組み合わせ店主がリデザインしたものだ。
地元の桧を使用した椅子や、鉄のカトラリー、壁面のアートワーク全てがraf の空間をつくっている。元気に迎えてくれるスタッフのみなさんの笑顔と、おいしい食事で満たされる、そんな特別な場所だ。

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04鄙茅

のどかな茶畑と田園風景の中を進んでいくと、茅葺の三角屋根が見えてくる。鮎の甘露煮で知られる「うおすけ」が、この土地に昔からつづく原風景や食文化、里山のいとなみを繋げていくために始めたのが鄙茅だ。
目の前に広がる宮川沿いの自然を眺め、地元食材にこだわった料理を味わいながら、ゆったりと過ごすことができる特別な空間が広がっている。伝統的な農家を再現した茅葺屋根の建物では、昔ながらの技法による土壁や土間、囲炉裏もある。大きな迫力のある器に、季節の花々と一緒に盛りつけられた彩り豊かな八寸は、手を付けるのを躊躇するほど綺麗。 一品一品丁寧につくられた料理を味わいながら、大切な時間を過ごし、日本文化の奥深さに気づかせてくれるそんな場所だ。

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05つじ屋

築 180 年の町家を伝統⼯法で改修し、農家⺠宿として開業した「つじ屋」。 落ち着いた照明に照らされた室内は、薪ストーブで温められ、初めての場所だけど懐かしさを感じた。⾼梨ご夫妻と息⼦さん以外にも家族が いる。⽑並みがきれいな⽝ 3 頭だ。いろいろとお話を伺うすぐ側で、⼟間にごろりと横たわりながらリラックスしている。ときどき私のところにも来 て、「撫でて」と⾔わんばかりに⽢えてくれるその姿に虜になってしまった。 薪ストーブの上のやかんがコトコトお湯を沸かす⾳や、ふすまや冊⼦を開ける⾳、暮らしの中にあるふつうの⾳が、私には新鮮で⼼地よく聞こえ る。⻑い煙突から煙がみえていたのは薪⾵呂で、可愛らしいモザイクタイルを眺めながら、あったかい薪⾵呂も満喫できるのも、ここならではの 体験だ。お部屋の中に置かれている⼩さな置物や、⽵細⼯の籠など、ひとつひとつが空間に馴染んでいる。楽しみにしていた朝⾷は、三重県 産の⼩⻨粉でつくられた伊勢うどんを、たっぷりの野菜とお味噌でいただくスタイル。⾷べ応えもしっかりあるけど、ヘルシーだから胃に優しくて嬉 しい。ここつじ屋では当たり前の暮らしが、今では特別な空間や体験に感じる、そんな暮らしをここで味わってほしい。